こんにちは、南房総ゼミ3期生の川野です。
南房総ゼミでは、先週に引き続き9/21,9/22も南房総でボランティア活動をしてきました。台風が来てから10日以上が経過していますが、実際の被災地はどういった状況だったのか。自分の目で見てきた現状をお伝えできたらと思います。
今週の活動内容は当ゼミでお世話になった方々の元へ個別に訪問し、お手伝いをすることでした。個人のお話を聞くことによって被災地のリアルを知ることができました。
この写真は、3期生ゼミ対象者の方の家屋の一部です。瓦はほとんど吹き飛んでしまい、壁も一部剥がれてしまっています。
これは対象者の方の畑の写真です。トマトを育てるための支柱が全て倒れています。もちろんトマトも全滅してしまっています。
支柱の片付けと細かい人工物の除去をお手伝いしました。大したことはできませんでしたが、それでも、対象者の方は喜んで下さいました。
この写真はまた別の対象者のお宅の裏にある山中で撮影したものです。根こそぎ木が倒れています。
人が一緒に映っているとわかりやすいと思いますが、抉れた部分の地面面積はかなり大きく人の身長の二倍以上の高さ、横幅がありました。こうして抉れた部分が、自分たちで確認できただけでも三箇所ありました。今回の台風の強大な威力が伝わってきます。
翌日9/22は岩井海岸にてビーチクリーンから始まりました。我々が到着した頃には、ビン、カンなどの拾いやすいものはあらかた片付けられていました。それだけボランティアに参加している方々がたくさんいたということだと思います。なので我々は細かいプラスチック片や流木を拾うことを重点的に行いました。
こちらは二期生の対象者の方が経営しているイベントスペースの写真です。こちらではお手伝いは無く、ご挨拶のみでしたが、様々なためになるお話を聞くことができました。
山間部住民の協力体制がいかに災害時に役立ったか、逆に過疎地域の復旧力がいかに脆弱であるか、またボランティアや災害支援活動をするにしても思いつきや予想で動くのでは無く、必要な情報を手に入れてから、計画を立てて丁寧に実行していくことが大事であるということを実感したとのことです。他にも、南房総地域の交通事情と物資供給の関係など色々なお話がありましたがどれも明晰なものばかりでした。
これは南房総市役所に運ばれてきた被災ゴミで、ここに映っているものは一部のみです。さらにこうして被災ゴミが集まる場所はあと二箇所あります。現状かなりの量ですが、復旧活動が進むにつれてこれからも増え続けていくことが容易に想像できます。
実際に我々がいた時も被災ゴミを運んでくる車は長蛇の列でした。
これは南房総市役所に送られてくる支援物資の数々です。この物資をどう供給するか、また必要以上の物資をどう処理するか、ということも喫緊の課題です。
-まとめ-
今回の活動では、畑を片付けたり、竹を切ったり、海岸を掃除したりと色々な活動をしました。しかし、それらをすればするほど事態の深刻さがわかってきます。やることが尽きないのです。我々にできたことはほんの些細なことだけでした。
活動だけでなく、たくさんのお話を聞かせてもらえました。台風当日の恐怖、仕事への影響、生活への影響、被災地で蔓延る詐欺や泥棒などの犯罪の話です。車で移動していると、瓦が吹き飛ばされてブルーシートで覆っている家が多くありました。それらの修理は2年から5年待ちだそうです。深刻な状況であることがわかります。
活動をして、お話を聞いて、そして人々の表情を見ました。皆さんは我々を笑顔で出迎えてくれました。しかし、やはりふとした時の疲れた表情は事の重大さを感じさせるものでした。実際に復興作業の中で身体を痛めてしまっている方々もいらっしゃいました。
皆さん口に揃えておっしゃることは、「慣れていなかった」ということです。大きな台風の被害に見舞われてこなかった南房総は災害レベルの台風自体にも、その後の復旧活動にも「慣れ」ていないんだと。だから、ここまで被害が拡大してしまったと。南房総はこれから強くなっていくと思います。災害への意識が今までよりも格段に向上したからです。そして何より、役所の方々、市民の方々も強い人たちばかりだからです。
大変な中ご挨拶をさせていただいた方々ありがとうございました。些細なお手伝いしかできませんでしたが、少しでもお力になれていたのなら嬉しいです。これからも「南房総」ゼミとしてできることをしていきたいです。
一日も早い南房総の復旧・発展を南房総ゼミ一同心よりお祈り申し上げます。